在留資格の基礎知識
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在留資格「企業内転勤」活用のメリット

2020.7.6 就労ビザ

「企業内転勤」の在留資格は、海外の現地法人から日本への出向、海外の法人から日本支社に転勤等をする際に、取得する在留資格となります。

つまり、海外の関係企業から日本に招聘する際に、取得する在留資格です。

海外と日本をつなぐ複数の関連企業がなくては、企業内転勤の取得はできませんが、グローバルに展開する企業においては、活用のメリットが多い在留資格となります。こちらの記事では、「企業内転勤」活用のメリットについて解説します。

「企業内転勤」活用のメリット①「能力、働きぶりがわかる」

新たに外国人を雇用するよりも、海外の関連企業にて、すでに就労している外国人を招聘することになるため、事前に当該外国人の能力や働きぶりを確認することができるというメリットがあります。

この点、新たに外国人を雇用する場合には、履歴書及び面接のみで合否を判断しなくてはなりません。そのため、雇用の際には、多くのリスクが存在しています。

しかし、企業内転勤の場合には、すでに経歴やスキル、成果など様々なことが明確となっているため、新規に外国人を雇用するよりも採用リスクを押さえられるメリットを感じることができます。

 

「企業内転勤」活用のメリット②「取得の要件が厳しくない」

2つ目のメリットとしては、取得の要件が厳しくないことが挙げられます。

いわゆるホワイトカラーの仕事の場合には、多くの場合「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得することになります。

この「技術・人文知識・国際業務」は、就労系の資格の中では最も取得数が多く、例えば留学の在留資格を有して日本の大学を卒業し、日本の企業に就職される外国人の方の大半は、こちらの「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得することになります。

この「技術・人文知識・国際業務」は、学歴または実務要件を満たしていなくてはなりません。

原則として大学卒以上(短大、日本の専門学校卒も申請可能ですが、許可の確率をあげるためには大学卒であることが望ましい)である必要があり、大卒以上でない場合には10年以上の実務経験が求められます。

つまり、担当する業務内容について、一定の知識または実務経験を有している必要があります。

しかし、「企業内転勤」の在留資格には、学歴要件がなく、実務経験が1年以上(技術・人文知識・国際業務に付随する業務)あれば申請が可能です。

「企業内転勤」の在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格と同等の業務を行える形ですが、申請要件が「技術・人文知識・国際業務」と比べて厳しくないというメリットがあります。

 

「企業内転勤」活用のメリット③「期間限定が可能」

3つ目のメリットとしては、期間限定で、専門性の高い業務を遂行させることができる点があります。

例えば、海外の関連企業のスキームを日本支店に取り入れる際には、期間限定で、海外の関連企業の開発責任者や設計責任者を日本支店に招聘し、日本でのノウハウの構築に際して、効率的に人材を配置することができます。

また、業務の状況に応じて、更新手続きも行えるというメリットもあります。

 

 

 

「企業内転勤」活用のメリット④「複数業務が可能」

4つ目のメリットとしては、複数の業務を行うことが可能な点が挙げられます。

「技術・人文知識・国際業務」の場合には、原則として1つの業務しか行うことができません。

技術者の方であれば技術者としての業務、通訳の方であれば通訳者としての業務という形です。

しかし、「企業内転勤」の場合には、技術者の業務を行いながら、通訳業務も行うことができます。

当該外国人の能力を最大限に発揮できるような人事配置を行うことができるため、事業者様にとっては大きなメリットを感じることができます。

 

 

まとめ

「企業内転勤」は、「技術・人文知識・国際業務」と同一の業務を遂行できますが、学歴要件及び実務要件は、「技術・人文知識・国際業務」比べて緩和されています。

また、当該外国人の能力や働きぶりを確認した上で招聘することが可能な点、期間を定めて必要な人事配置が可能な点、複数の業務を行える点など、「企業内転勤」取得には様々なメリットがあります。

しかし、前述のとおり、海外と日本をつなぐ複数の関連企業がなくては、「企業内転勤」の在留資格を取得することができません。

つまり、日本企業のみの場合には、「企業内転勤」の在留資格は取得できないことになります。

そのため、海外での業務をスムーズにするため及び継続的に優秀な人材を確保するために、業務に関連性の高い外国に法人を設立されることを検討されることも、「企業内転勤」の在留資格を最大限に活用するための1つの方法となります。

「企業内転勤」の在留資格に関し、ご不明点がございましたら、行政書士等の在留資格の専門家に相談するとよいでしょう。